国際バカロレア教育(IB)カリキュラムについて

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国際バカロレア教育(IB)について

最近よく耳にすることも増えてきている国際バカロレア教育、IB。IBとはInternational Baccalaureateの略で国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する世界中の学校で採用される国際的な教育プログラムです。国際バカロレアは、1968年、チャレンジに満ちた総合的な教育プログラムとして、世界の複雑さを理解して、そのことに対処できる生徒を育成し、生徒に対し、未来へ責任ある行動をとるための態度とスキルを身に付けさせるとともに、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルートを確保することを目的として設置されました。国際バカロレアの認定を受けている学校は、令和5年3月時点、世界159以上の国・地域において約5,600校です。日本でもIBの認知度は年々と高まり、約120の学校が認定校とされていたり、多くの日本の大学でもAO入試や帰国子女特別選抜等の出願資格の一つとして募集要項に明記されており、所定の要件を満たす場合には、この制度により大学入試を受験することが可能です。その際、国際バカロレアのスコアとともに、必要に応じ、小論文、面接などを総合して選抜を行っている例が見られます。つまり国際バカロレア資格は、国際的に通用する大学入学資格として、国ごとに具体的な取扱いは異なるものの、世界の多くの国々の大学において、大学入学資格として幅広く受け入れられています。IBプログラムの最大の特徴は、国際的な視野を持つ人材を育成することにあり、そのため世界中の大学で高い評価を受けています。また、IBプログラムの修了者は、グローバルな社会で活躍するためのスキルや知識を身につけることができます。

日本における国際バカロレアを活用した大学入試が可能な大学はあの東京六大学 (東大、早稲田、慶應、明治、立教、法政)も含まれているんです!各大学入学条件や入学できる学部、IBスコアは異なりますが日本の大学へ進むことを検討されているのであれば大学入学資格も頭に入れながら科目を選ぶのもポイントです。

IBプログラムについて

各学校によって幼稚園からIBプログラムを取り入れているところもあれば、小学校からIBプログラムを取り入れていたり、高校最後の2年間だけIBDP(国際バカロレアのディプロマ)習得を目指す学校などカリキュラム方針は様々です。バンコクインター御三家で有名なNIST(ニスト)では小学校〜高校までIBを取り入れていますが、BPS( パタナ)やISBは高校最後の2年間だけであったり、バンコクのインターナショナルスクールの中でも早くからIBプログラムを取り入れたKISインター校では幼稚園から高校までIBにかなり特化したプログラムを提供されています。また、イギリス式の学校で有名なセントアンドリュースでは高校最後の2年間でIBDP習得を目指しております。IBプログラムを取り入れた学校が少ないのは学校側がIB認定校とされるまでの審査も大変ですし、IBプログラムを教える先生もIBプログラムの証明書が必要だったりするからだそうです。

IB認定校では先生たちの間でもIBプログラムの研修会やトレーニングもあるそうで、常に教育の向上を目指しているそうです。

3段階のIBプログラムについて

PYP(プライマリー・イヤーズ・プログラム)について

3歳~12歳までを対象としており、精神と身体の両方を発達させることを重視しているプログラムでどのような言語でも提供可能です。PYPのカリキュラムは、国際教育の文脈において不可欠とされる人間の共通性に基づいた以下の6つの教科横断的なテーマが中心となっています。

  • 言語
  • 社会
  • 算数
  • 芸術
  • 理科
  • 体育(身体・人格・社会性の発達)

MYP(ミドル・イヤーズ・プログラム)

11歳~16歳までを対象としており、青少年に、これまでの学習と社会のつながりを学ばせるプログラムです。MYPでは、以下の8教科を学習し、全ての生徒が5年のプログラム期間にわたってこれらの教科に取り組みます。

  • 言語と文学
  • 言語の習得
  • 個人と社会
  • 理科
  • 数学
  • 芸術
  • 保健体育
  • デザイン

DP(ディプロマ・プログラム)

16歳~19歳までを対象としており、所定のカリキュラムを2年間履修し、最終試験を経て所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)が取得可能なプログラムです。生徒は、6つのグループから各教科ずつ選択し、6科目を2年間で学習します。配点は、6科目につき各7点(計42点)。プラス論文3点の合計45点満点中、原則として24点以上を取得する必要があります。

  • グループ 1: 言語と文学
  • グループ 2: 言語習得
  • グループ 3: 個人と社会
  • グループ 4: 理科
  • グループ 5: 数学
  • グループ 6: 芸術

IBの学習者像(The IB Learner Profile)

すべてのIBプログラムは、国際的な視野をもつ人間の育成を目指しており、人類に共通する人間らしさと地球を共に守る責任を認識し、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する人間を育てます。10 の人物像は、IB教育の全人的な性質を反映していて、好奇心や思いやりといった素質を育み、知識やスキルを発展させることの重要性を強調しています。同時に認知的発達だけでなく、児童生徒の社会的、感情的、身体的健康に注意を払い、IBプログラムを通して児童生徒が自身、他者、周辺世界に敬意を払うことを確実に学ぶことを強調します。IBの教員は、児童生徒がIB教育の過程でこのような人間性を発展させ、彼らが成熟するにつれ、より強固かつ洗練された方法でそれらを実践していけるように支援します。これらの人間性の発展は、より良い世界を築くことに貢献できる国際的な視野をもった児童生徒を育成するための基礎となります。

人物像 説明
探究する人好奇心を育み、探究し研究するスキルを身につけます。ひとりで学んだり、他の人々と共に学んだりします。熱意をもって学び、学ぶ喜びを生涯を通じてもち続けます。
知識のある人概念的な理解を深めて活用し、幅広い分野の知識を探究します。地域社会やグローバル社会における重要な課題や考えに取り組みます。
考える人 複雑な問題を分析し、責任ある行動をとるために、批判的かつ創造的に考えるスキルを活用します。率先して理性的で倫理的な判断を下します。
コミュニケーションができる人複数の言語やさまざまな方法を用いて、自信をもって創造的に自分自身を表現します。他の人々や他の集団のものの見方に注意深く耳を傾け、効果的に協力し合います。
信念をもつ人誠実かつ正直に、公正な考えと強い正義感をもって行動します。そして、あらゆる人々がもつ尊厳と権利を尊重して行動します。自分自身の行動とそれに伴う結果に責任をもちます。
心を開く人自己の文化と個人的な経験の真価を正しく受け止めると同時に、他の人々の価値観や伝統の真価もまた正しく受け止めます。多様な視点を求め、価値を見いだし、その経験を糧に成長しようと努めます。
思いやりのある人思いやりと共感、そして尊重の精神を示します。人の役に立ち、他の人々の生活や私たちを取り巻く世界を良くするために行動します。
挑戦する人不確実な事態に対し、熟慮と決断力をもって向き合います。ひとりで、または協力して新しい考えや方法を探究します。挑戦と変化と機知に富んだ方法で快活に取り組みます。
バランスのとれた人自分自身や他の人々の幸福にとって、私たちの生を構成する知性、身体、心のバランスをとることが大切だと理解しています。また、私たちが他の人々や、私たちが住むこの世界と相互に依存していることを認識しています。
振り返りができる人世界について、そして自分の考えや経験について、深く考察します。自分自身の学びと成長を促すため、自分の長所と短所を理解するよう努めます。

とあるインター校のYear 1クラスでは毎朝IBの心得を皆で読むのが日課だそうです!素晴らしい!

指導の方法と学習の方法

現代の教育研究に基づいたIBの6つの「指導の方アプローチ法」と5つの「学習の方アプローチ法」は、IBワールドスクール(IB認定校)の教員と児童生徒を導き、目標を明確にさせるものです。
これらの方法は、教室内でIB教育が掲げる目標を確実に実現させるために、非常に重要な役割を果たします。探究、行動、振り返りのサイクル ( 問いかけること、行動すること、思考することの相互作用 ) を通して教師と児童生徒の日々の活動に意義を見いだすことを中心としており、また人間関係にも強く着目しているそうです。

指導名指導方法
探究を基盤とした指導児童生徒がそれぞれ独自に情報を入手し、独自の理解を構築することが重視されています。
概念理解に重点を置いた指導各教科における理解を深め、児童生徒がつながりを見出し新しい文脈へと学びを転移させることを助けるために、概念の探究が行われます。
地域的な文脈とグローバルな文脈において展開される指導指導には実際の文脈と例を用い、児童生徒は自分の経験や自分の周りの世界と関連づけて新しい情報を処理することが奨励されています。
効果的なチームワークと協
コラボレーション
児童生徒間でのチームワークと協働を促すだけでなく、教師と生徒間の協働関係もこれに含みます。
学習への障壁を取り除くデザイン指導は包括的で、多様性に価値を置きます。児童
生徒のアイデンティティーを肯定し、すべての児童生徒が自身の適切な個人目標を
設定し、それを追求するため、学習機会を創出することを目指します。
評価を取り入れた指導評価は学習成果の測定だけでなく、学習の支援においても重要な役割を果たします。効果的なフィードバックを児童生徒に提供するということも、重要な指導方法のひとつとして認識されています。

学習の方法に対する焦点は、学び方を学ぶことが児童生徒の教育の基本である、という信念に基づいています。
相互に関連するスキルの5つのカテゴリーのねらいは、全年齢のIBの児童生徒が、良い質問をし、効果的な目標設定を行い、自身の願望を追求し、それを達成する決意を持った、自己調整が可能な学習者になるための力を与えることです。これらのスキルは、児童生徒に自身の学習をアクティブでダイナミックなプロセスとして捉えるよう促し、客観的な判断を支えるものとなります。これらの5つのカテゴリーは、各プログラム内で発達段階に適した方法で強調されるスキルと共に、すべてのIBプログラムに及びます。

学習方法
クリティカルシンキング、創造的思考、倫理的思考などの分野を含めた思考スキル。
情報の比較、対照、検証、優先順位づけなどのスキルを含むリサーチスキル。
口頭および記述によるコミュニケーション、効果的な傾聴、および議論を組み立てることなどを含むコミュニケーションスキル。
良好な社会的関係を築いて維持する、他者の話を傾聴する、対立関係を解消する、といった社会性スキル。
時間や課題の管理といった管理・調整スキル、および感情やモチベーションを管理する情意スキルの両方を含む自己管理スキル。

国際バカロレア教育(IB)を取り入れたインター校リスト

タイ・バンコクにて国際バカロレアを取り入れたインターナショナルスクールは御三家以外にもあります!

インター校名PYPMYPDP地区年間学費のみ
NIST (バンコク御三家インター)アソーク560,000-1,021,000バーツ
PATANA(バンコク御三家インター)バンナー445,000-874,000バーツ
ISB(バンコク御三家インター)ノンタブリ592,000-1,075,000バーツ
KISホイクワン399,000-840,000バーツ
Wells (オンヌットキャンパス)プラカノン224,000-492,000バーツ
Wells (バンナーキャンパス)バンナー224,000-399,000バーツ
St. Andrews Ekkamai (Nord Anglia)エカマイ346,000-733,5000バーツ
St. Andrews 107 (Cognita)バンナー264,9000-652,000バーツ
RIS(Ruamrudee International School)ラムカムヘン524,000-765,000バーツ
Concordian International Schoolバンナー590,000-908,000バーツ
Regent’s International Schoolラマ9390,000-692,000バーツ
Ascot International Schoolラムカムヘン256,000-558,000バーツ
SISB( Singapore International School)ワントーンラーン352,000-693,000バーツ
Magic Years International Schoolノンタブリ219,500-567,000バーツ
PAIS (Pan Asia International School)ドクマイ

IBプログラムについてはこちらのサイトから引用。https://ibconsortium.mext.go.jp/

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